【夏の車中泊徹底ガイド】暑さ対策や快適に過ごすコツは? おすすめ車種もご紹介!

夏は絶好の旅行シーズンである一方で、車中泊で旅行やレジャーを楽しもうとする人には、対策が欠かせない季節でもあります。
この記事では、夏の車中泊の暑さ対策を中心に、車中泊の基本的なマナーから、夏の車中泊を快適に過ごすためのコツ、夏の車中泊におすすめのクルマまでをご紹介します。夏特有の車中泊の課題と対策を知って、夏の車中泊を最大限に楽しむヒントを見つけましょう!

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目次
夏の車中泊の困りごとと基本的なマナー
夏の車中泊では暑さ&虫の対策が必須
夏の車中泊で最も気を付けなくてはいけないのが熱中症です。駐車場での熱中症事故が後を絶たないことからも分かるように、夏の車内温度は外気温を超えて大きく上昇します。
車内の温度を快適に保つには、エアコンや換気が必要ですが、車中泊の一般的なマナーでは、停車中にエンジンをかけたままにすることはNGとされるため、エンジンに頼らない暑さ対策を考えておかなければいけません。。また換気のために窓を開けておくと虫が入りやすくなるのも、困りごとのひとつです。
車中泊の基本的なマナー
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【外部ライター】YA
駐車場所で快適に過ごすためには、ほかの利用者や地域住民に迷惑をかけることがないよう、常に心掛けることが大切です。車中泊での基本的なマナーには、以下のようなものがあります。
・エンジン音、音楽や会話の音量、ドアを開け閉めする音などが、周囲の利用者への迷惑とならないよう気を付ける・車中泊中に出たごみは基本的にすべて持ち帰る
・公共の駐車場は仮眠を除く宿泊は原則禁止。事前に駐車場所のルールを必ず確認する
・駐車場では火気の使用は禁止。BBQなどをしたいときは、駐車場所の火気使用のルールについてもよく確認する
夏の車中泊を快適に過ごすためのコツ
暑さ対策のアイデアとグッズ
夏の車中泊を安全に楽しむためには、暑さ対策が欠かせません。暑さを軽減するアイデアや対策グッズを知っておくことが大切です。
涼しい場所を選ぶ
まず考えたい暑さ対策は、涼しい場所を選ぶことです。
例えば、気温は標高が100メートル高くなるごとに、0.6℃下がると言われています。標高が高いほど夏でも過ごしやすい気候であることが多いため、天気予報などのデータを参考に、できるだけ気温の低い場所を探してみましょう。
日中は、日陰を選んで駐車するのも効果的です。また、アスファルトを避けて、草地や土の上などに駐車するのもおすすめです。
効率的な換気方法とグッズ
車内の蒸し暑さを軽減するためには、換気も必要です。窓を開けて換気をするときは、一ヵ所だけ窓を開けるのではなく、対角線上などの2カ所以上を開けると、車内の空気を効率よく循環させることができます。
空気の流れを作るためにポータブル扇風機などを利用するのも効果的です。クリップ式のものは、設置の自由度が高いのが利点です。また、クルマに装備されている12VシガーソケットやUSBポートから給電できるもの、充電式ものなど、さまざまな種類があります。
ポータブルクーラー・ポータブル電源
夏の車中泊で、エンジンを切っていても使える冷房機器として、車載用のポータブルクーラーを用意する人も多くいます。
ポータブルクーラーは大きく分けて、コンプレッサー式、気化式の2種類があります。コンプレッサー式は家庭用エアコンと同じ仕組みで空気を冷やすもので、冷却効果が比較的高いタイプです。消費電力が大きく排熱ダクトで車外に熱風を排出する必要があります。気化式は冷風扇とも呼ばれるもので、水の気化熱を利用して空気を冷やします。消費電力は比較的少なく、湿度が高い場所では効果が薄くなります。
このようなポータブルクーラーを利用する場合は、消費電力に見合う容量があるポータブル電源を用意するのが一般的です。
こまめな水分補給
脱水症状や熱中症を防ぐため欠かせないのは、こまめな水分補です。のどが渇いたと感じる前に飲むように心がけましょう。汗をたくさんかいたときのために、スポーツドリンクや塩分キャンディなど電解質を補給できるものも用意しておけると安心です
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【外部ライター】YA
夏の車中泊では、ポータブルクーラーや冷蔵庫があると便利ですが、ポータブル電源を含めて高価なものが多いのがネックです。夜間でも30℃を超えるような夏場は、就寝中でも熱中症のリスクがあります。クーラーがなくても快適な涼しい場所を探すか、思い切って時期を見直すのもよいかもしれません。
虫の侵入を防ぐ
窓を開ける機会の多い夏の車中泊では、クルマに虫が入ってくるのを防ぐ対策も必要です。
ウィンドーネット
換気のために窓を開ける場合、虫の侵入を防ぐために、クルマの窓用の網戸(ウィンドーネット)を取りつけるのがおすすめです。
市販のウィンドーネットには、ドアフレームに被せるタイプ、マグネットや吸盤、マジックテープで貼り付けるタイプなど、取り付け方法だけでもさまざまなものがあります。
車種を選ばずつけられる汎用品も多くありますが、特定の車種専用に設計されたものや、純正品のウィンドーネットはフィット感が高く丈夫で、高品質なものが多いのが利点です。
防虫・殺虫グッズ
虫よけスプレーや蚊取り線香も、夏の車中泊を快適にしてくれるグッズの一つです。
虫よけスプレーは、衣類や肌に使えるもののほか、網戸にスプレーするタイプもあります。蚊取り線香は電池などで作動する電気式のものもあり、クルマで使うのに便利です。空間に虫よけ成分を拡散させるタイプを車内で使うときは、火災や換気に最大限注意しましょう。
プライバシーと安全を確保する
車中泊をするとき、車内の様子が丸見えではリラックスできませんし、防犯の面でも不安が残ります。プライバシーと安全を守るために窓を覆うのがおすすめです。
カーテンやサンシェードで目隠しをする
窓を覆うサンシェードやカーテンは外部からの視線を遮り、プライバシーも守ってくれます。遮光・断熱の効果が高いものを選べば、車内の温度が上がるのを抑える効果も期待できます。汎用品のほか、特定の車種専用に設計されたものも多く市販されています。
防犯対策
車中泊では盗難などの犯罪に巻き込まれるリスクもゼロではありません。就寝時や車を離れるときは必ずドアをロックすること、貴重品は車外から見えない場所にしまうことなどが、車中泊での防犯対策の基本になります。
夏の車中泊に便利な機能は?クルマ選びのポイント
車中泊に適したクルマの条件
車中泊を楽しむためには、クルマ選びも重要なポイントです。
車中泊に適しているクルマの条件には、以下のようなものがあります。
・シートアレンジでフルフラットにできる
・無理なく座ったり着替えたりできる天井高と室内空間
・たくさんの荷物を収納できる
車中泊のためのクルマ選びの最大のポイントは、就寝スペースの確保です。シートアレンジでフルフラットにした場合の長さや幅と、乗車人数や身長を比較して選びましょう。天井の高さも着替えたりするのに十分か確認が必要です。また、荷物の積載性も重要なポイントになります。
換気のしやすさやエアコンの性能
クルマの窓は大きく開くほうが換気には有利です。また、跳ね上げ式のバックドアや、ピラーレスのスライドドアなど開口部が大きいほど、効率よく換気ができます。
カーエアコンの性能も考慮に入れておきたいポイントです。ガソリン車では、エンジンがかかっていないとエアコンを使うことができないため、就寝中の使用には適していません。
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【外部ライター】YA
そこで、注目されているのが、エンジンを使わずに冷房を使える電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)です。これから車中泊用のクルマを探すなら、EVやPHEVも有力な候補の一つになるかもしれません。
AC電源の有無
車種によって、AC電源(アクセサリーコンセント)や、シガーソケット、USBポートなど、電源の種類や数、配置が異なります。
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のような電動車では、AC電源が100V/1500wに対応していることがほとんどで、電気ポットやドライヤーなどの家電製品を使うことができるため、車中泊やキャンプによく行く人にとっては便利な機能です。比較的消費電力の少ないスポットクーラーやポータブル冷蔵庫などもコンセントで使うことができるので、夏の車中泊にもおすすめです。
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【外部ライター】YA
一部のガソリン車でもAC電源が装備されていることがありますが、100v/100wと出力が小さく、用途が限られることに注意が必要です。
夏の車中泊におすすめの車種6選
ホンダ N-VAN

人気の軽バンのひとつであるN-VANは、助手席を倒すことで縦長のフラットなスペースを確保できる、ソロでの車中泊におすすめの一台です。商用車ベースのため内装は比較的簡素ですが、車中泊やキャンプ用のアクセサリーが充実しているのも人気の理由となっています。
軽自動車:スズキ スペーシア ベース

スペーシア ベースは、荷室を広く確保した商用車でありながら、乗用車のデザイン性や快適性も合わせ持っています。標準装備のマルチボードを使って荷室をアレンジできるのが大きな特徴で、このボードで床面をフルフラットにすることも、デスクとして使うことも可能です。
SUV:トヨタ RAV4

ミドルクラスのSUVの中でも、広い室内空間が特徴。後席のシートを倒すだけで長さ1800mm以上のスペースを確保できます。現行モデルには、ガソリン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(PHEV)の3種類があり、100V/1500wのAC電源がPHEVは標準装備、ハイブリッド車はオプション装備となっています。
SUV:三菱 アウトランダー

プライグインハイブリッド車(PHEV)のパイオニアとしても知られるアウトランダー。3列シートも設定されているミドルクラスSUVで、大容量バッテリーと前後モーターを搭載した4WDの力強い走りが評価されています。2列目、3列目を倒せば2メートル以上のスペースが確保でき、100V/1500wのAC電源も標準装備されています。
ミニバン:トヨタ ノア

快適な乗り心地と広々とした室内空間、柔軟なシートアレンジに定評があります。7人乗り/8人乗り、ガソリン車/ハイブリッド車などのラインナップがあり、ハイブリッド車の一部グレードでは、100V/1500wのAC電源も装備されています。
ミニバン:日産 セレナ

同クラスのミニバンの中でもとくに広い室内空間を誇り、ウォークスルーやフラットなどユニークなシートアレンジが可能。また、車中泊用にベッドフレームとマットを備えた「マルチベッドモデル」も存在します。
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【外部ライター】YA
「フルフラット」を謳うクルマは多くありますが、そのほとんどで多少の隙間や段差ができてしまいます。とくに3列シートの場合、段差や傾きができやすいのが現実です。そのため、車中泊で就寝スペースを作るためには、クッションや厚手のマットなどで、隙間や段差を埋めるのが一般的。純正品、車外品を問わず、車中泊用のマットも多く販売されているので、ぜひチェックしてみてください。
バン:トヨタ ハイエース バン

キャンプや車中泊を楽しむ人にも人気が高いハイエース。バン特有の広大なスペースは少し工夫するだけで、快適な車内空間を作ることができます。社外品を含むカスタム用品も豊富で、荷室にメーカーオプションのベッドキットを装着したカスタムカーも販売されています。
夏の車中泊を最大限に楽しむために
夏の車中泊を楽しむためには、暑さや虫への対策が欠かせません。車中泊の基本的なマナーや、必要なグッズを知り、事前に計画を立てること、目的地の情報収集をすることも大切です。また、現地の状況に応じて、柔軟に対応できる余裕も持ちましょう。
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【外部ライター】YA
夏の車中泊は課題も多くありますが、それを乗り越えるために工夫することも、醍醐味のひとつです。さまざまな方法を試しながら、自分らしく夏の車中泊を満喫できるようトライしてみてください!