輸入車はコスパが悪い?輸入車を中古で購入する時の注意点と国産車との維持費の違い[後編]

憧れの輸入車を中古で手に入れたものの、予想以上の維持費に頭を抱えている方はいませんか?一般的に輸入車は、国産車に比べて維持費が高く、コスパが悪いと言われます。
輸入車と国産車では、メンテナンスの頻度や駐車場の選び方、さらには洗車方法まで、大きく異なる点が多くあります。事前に適切な知識を身につけ、計画的な対策を講じることで、輸入車ならではの魅力を存分に楽しむことができます。この記事では、輸入車を中古で購入する前に確認すべきポイントや、輸入車の節約術などを解説していきます。

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輸入車を長く安全に楽しむための消耗品・パーツ交換のタイミング

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【外部ライター】YA
輸入車を長く安全に楽しむためには、消耗品やパーツ交換の頻度が、国産車よりも高く設定されていることを知っておくことも大切です。輸入車と国産車で整備の頻度に差があるのは、クルマの設計の前提となる使用環境が異なるためです。
例えば、欧米では高速道路などの長距離走行を想定したクルマが多くなります。年間走行距離で見ると、欧州では約15,000km、北米では約20,000kmとも言われます。日本では平均の年間走行距離は10,000kmとされ、国産車は市街地で短い距離の停車・発進を繰り返す走行を想定しています。
輸入車で交換頻度に気を付けたいとされるパーツや消耗品には、ゴム部品、ブレーキパッド、タイヤ、エンジンオイル・オイルフィルターなどがあります。これらのパーツや消耗品について、メーカーが推奨する交換時期をよく確認し、安全性を重視して早めの交換を心がけましょう。一見コストが高く感じるかもしれませんが、品質と安全性を保つための投資と考えるのが理想的です。
突発的な故障を防ぐための予防整備は、結果的に大きな修理費用の発生を抑えることにつながります。信頼できる整備工場で定期的なメンテナンスを行うことで、輸入車の性能と安全性を長く保つことができるでしょう。
リセールバリューを維持するための日常的なケア

高級車のイメージが強い輸入車は、車体の小さなキズやへこみ、レザーシートの劣化などが、売却時の査定額に大きく影響することがあります。リセールバリューを維持するには、日常的な細やかなケアが重要です。
車体の美しさを保つために、洗車を定期的に行い、必要に応じてワックスやコーティングを施します。虫の死骸や泥汚れ、融雪剤などが付着した場合は、すぐに洗い流しましょう。紫外線の影響を避けるため、できるだけ屋内駐車場を利用し、やむを得ず屋外に駐車する場合はカーカバーを使用します。
レザーシートは、日常的な使用でも色移りや黒ずみ、ひび割れなど劣化が生じやすいため、手入れに気を使いたい部分です。ただし、メーカーや車種によって使用している皮革の種類が違うため、適切なケア方法も異なります。レザーシートの手入れに不慣れな場合は、ディーラーや整備工場で相談するのがおすすめです。
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【外部ライター】YA
定期的なメンテナンスも、リセールバリューの維持につながります。オイル類やブレーキパッドなどを適切なタイミングで交換することで、エンジンや足回りの状態を良好に保つことができるからです。また、整備記録をきちんと残しておくと、査定時の評価も上がりやすくなります。
故障のリスクに備える
日本と海外ではクルマの使用環境が異なるため、国内で輸入車に乗る場合、エンジンオイルの劣化が早まったり、電気系統に負荷がかかったりしやすいと言われています。
また、エンジンやトランスミッションなどの重要な部分に不具合が生じた場合、修理に時間がかかったり、高額な修理代が必要になったりすることがあります。
中古の輸入車を購入する場合は、新車に比べて故障のリスクが高いことも頭に入れておきましょう。こうした輸入車の故障リスクを理解し、トラブルに備えておくことが重要です。
具体的には、メーカー認定の中古車からできるだけ状態のよいクルマを選ぶこと、車検やディーラー点検などに加えて、日ごろからこまめな点検を心がけることなどが挙げられます。
車検を含む定期点検は、認定ディーラーや認定の整備工場などを利用し、車種によってオイル交換や点検の頻度をどうしたらよいか相談してみましょう。このほかにも、日常的にエンジンやブレーキの具合、オイル類の残量、タイヤの溝などをこまめに点検することをおすすめします。
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【外部ライター】YA
特に注意が必要なのが、電子制御部品の不具合です。初期症状では、警告灯の点灯やエンジン始動の不調として現れます。小さなトラブルの段階で見つけることで、修理費用を抑えることにつながります。
保険の活用も重要なポイントです。代車特約付きの任意保険であれば、修理期間中の代替車両が確保できますし、ほとんどの任意保険で故障して自走できない場合はレッカーを手配してもらえます。保険を最大限に活用することで、予期せぬ故障による生活への影響を最小限に抑えられます。
輸入車の維持費の節約術
輸入車と国産車で維持費に差が出るのは、輸入車のメンテナンス費と燃料費が割高になりやすいのが主な理由です。
■メンテナンス費の節約術
メンテナンス費を節約するためには、車検やメンテナンス、修理を行う店舗の選び方にもコツがあります。認定ディーラーでは、メンテナンスや修理の費用を無償あるいは割安で行うメンテナンスプログラムを提供していることがあります。基本的には新車で購入した場合が対象ですが、中には中古車も対象になっていることがあるため、まずはディーラーに相談してみましょう。
乗りたいクルマのディーラーでこうしたプログラムがない場合は、輸入車を専門に扱う整備工場を利用することで費用を抑えられることがあります。輸入車の維持費を抑えるためにはどうしたらよいか、相談しやすいのも魅力です。
■燃料費の節約術
燃料費の節約には、エコドライブを意識するのがおすすめです。エコドライブとは環境に優しいとして推奨されている、運転の心がけやコツのことで、急発進や急ブレーキを避けたり、アイドリングストップを心がけたりすることでCO2排出量を抑えるとともに、燃料消費を抑えることができます。日常的な運転でやさしい発進を心がけるだけで、燃料消費を10%程度削減できるとされています。
タイヤの空気圧をこまめにチェックすることや、不要な荷物を積まないことも、燃費改善に役立つ、エコドライブのコツの一つです。
また、コンパクトカーやディーゼル車など、燃費のよい輸入車を選ぶのも選択肢の一つになります。
安心して輸入車を楽しむためには、万が一のトラブルや故障に備えて、メンテナンスの計画を立てたり、乗りたいクルマの維持費を考えておいたりすることが大切です。輸入車と国産車の維持費の違いや、輸入車の維持費の節約術を頭に入れて、乗りたいクルマの好みと予算のバランスに合う理想の一台を探してみてください。