輸入車はコスパが悪い?輸入車を中古で購入する時の注意点と国産車との維持費の違い[前編]

憧れの輸入車を中古で手に入れたものの、予想以上の維持費に頭を抱えている方はいませんか?
一般的に輸入車は国産車に比べて維持費が高く、コスパが悪いと言われます。輸入車と国産車では、メンテナンスの頻度や駐車場の選び方、さらには洗車方法まで、大きく異なる点が多くあります。事前に適切な知識を身につけ、計画的な対策を講じることで、輸入車ならではの魅力を存分に楽しむことができます。

この記事では、輸入車を中古で購入する前に確認すべきポイントや、輸入車の節約術などを解説していきます。

【外部ライター】YA

クルマのことを調べならが学ぶライター

電車移動が基本の都内で生まれ育ってきたため、いままで触れてこなかったクルマの知識を猛勉強。自動車市場のアレコレを調べながらレポートします。

輸入車はコスパが悪いと言われる理由

輸入車はコスパが悪いと言われる理由には、国産車に比べて維持費が高くなる可能性が大きいことが考えられます。国産車に比べて、ボディや排気量が大きいことが多い輸入車は、燃費、税金といったランニングコストが高くなりがちです。また、故障して部品の交換が必要になった場合、パーツを輸入する手間がかかる分、修理代も高くなります。

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    さらに、日本で人気のある輸入車は高級車が多く、同じクラスの国産車に比べて車両価格も高いものがほとんどです。その点、中古車市場では輸入車は割安で購入できることが多いため、初期費用を抑えたいなら、中古の輸入車を探してみるのもおすすめです。

輸入車を中古で購入する場合は、「初期費用を抑えたのに、思ったより維持費が高かった」と後悔しないように、気を付けたいポイントがいくつかあります。安心してカーライフを楽しめるように、よく確認しておきましょう。

【購入前に確認すべきポイント①】信頼できる販売店を選ぶ

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    輸入車を中古で購入しようとする時、まず気を付けたいのは、信頼できる販売店を選ぶことです。販売店選びに迷ったら、メーカー認定のディーラーや、輸入車専門の中古車販売店を選ぶことをおすすめします。

信頼できる販売店を選ぶポイントは、状態のよい中古車を多く扱っていること、輸入車のメンテナンスに関する技術と知識が豊富であること、アフターサービスや保証が充実していることなどが挙げられます。

中古車を購入する時、気になるのが故障やトラブルのリスクです。輸入車の修理には、国産車とは異なる知識や技術、専門的な機器が必要になることがあります。その点、認定ディーラーや実績のある輸入車専門店であれば安心です。

さらに、保証プランが充実していれば、結果的にメンテナンスや修理の費用を抑えることにもつながります。保証プランを比較する際は、保証期間と対象部品の範囲を詳しく確認することが大切です。エンジンやトランスミッションなどの主要部品が対象となっているか、車検やディーラー点検の内容、緊急時の応急処置やレッカー手配などのロードサービスの内容を確認しましょう。

【購入前に確認すべきポイント②】維持費の目安を知る

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    中古輸入車に安心して乗り続けたいなら、事前に年間の維持費を把握しておくことも大切です。
    クルマの維持費として代表的な項目には、自動車重量税などの税金、保険、燃料費、車検を含むメンテナンス・修理代などがあります。

■税金
1年に1回、年度初めに支払う自動車税は排気量によって、2年に1回の車検時に費用の一部として支払う自動車重量税は、車体重量によって税額が大きく変わります。ボディサイズや排気量が大きくなりがちな輸入車は、税金が高くなる傾向があると覚えておきましょう。

■保険
自動車保険には、自賠責保険と任意保険があります。自賠責保険はクルマの種別により一律の保険料が決められていますが、任意保険は輸入車のほうが保険料が高くなる傾向があると言われています。これは、購入価格が高い場合に盗難などのリスクに備えて保険料が高く設定されるためで、輸入車だからというわけではありません。

■車検・メンテナンス
車検代も輸入車のほうが高いというイメージがある人が多い維持費の一つです。交換が必要な際にパーツ代が割高になること、専門の技術者が限られることなどから、整備や修理の代金が高くなり、車検代も高くなる傾向があるとされています。

■燃料費
排気量の大きい車種や、ハイオク仕様の車種が多いことなどから、輸入車は燃費が高くなる傾向があります。一方で、コンパクトカーやディーゼル車など、燃費がよいとされる輸入車も多くあります。予想される走行距離と乗りたいクルマの燃費から、年間のおおよその燃料費を計算してみましょう。

気になるクルマが見つかったら、排気量やボディサイズ、車体価格などから、税金がいくらかかるか概算してみましょう。保険の見積もりや、ディーラー・販売店の車検費用も確認します。さらに、オイルやタイヤの交換の費用も確認して、予備費を上乗せすることで、より現実的な年間予算が見えてきます。

購入前におおよその維持費を計算しておくことが、輸入車のオーナーシップを長く楽しむコツの一つです。

【購入前に確認すべきポイント③】相場とリセールバリューを知る

中古輸入車を賢く購入するためには、まず、気になる車種の中古車市場での相場を調べてみましょう。一般的に中古車価格の相場は、年式と走行距離が基準となります。基本的に、年式が新しく走行距離が短いほど、高値で売買されますが、年式が古いわりに走行距離が短く、状態がよい中古車も存在します。

相場より大幅に安いクルマは状態が悪い可能性が高く、故障やトラブルのリスクがあります。結果的に損をしないよう、クルマの状態をよく確認することが大切です。

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    相場と合わせて調べておきたいのが、リセールバリューです。リセールバリューとは、クルマを手放す時にどれくらいの価値があるのかを表す数値で、「3年落ちで50%」という場合は、新車を購入してから3年後に手放す時に、新車価格の50%で売却できると予想することができます。

いくつかの候補があって迷う時は、リセールバリューの高いクルマを選ぶことで、将来、乗り換える時に有利になる可能性が高くなります。

輸入中古車でリセールバリューが高いとされるのは、メルセデス・ベンツGクラス、ボルシェ 911、MINI ミニクーパー、ジープ ラングラーといった、長年愛されているロングセラーの車種です。

輸入車に限らずリセールバリューが高いクルマの条件には、人気の車種・ボディタイプであること、エンジンや内外装の状態がよいことなどが挙げられます。最新の安全装備、運転支援システムのほか、メーカーオプションが装備されている場合も、リセールバリューが高くなる傾向があります。

中古車を賢く選ぶためには、乗りたいクルマの相場を複数確認し、装備や状態を比較することが重要です。リセールバリュー総合研究所では、中古輸入車のデータも検索することができます。ぜひ参考にしてみてください。

輸入車の整備には時間と予算に余裕を持つ必要がある

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    輸入車の整備には、国産車とは異なる知識と技術、専門的な工具や機器が必要とされます。車検を含むメンテナンスは、メーカー認定資格を持つ整備士が在籍し、専用の診断機器を完備している正規ディーラーや認定整備工場を選ぶことをおすすめします。

また、輸入車のメンテナンスには、国産車よりも時間とコストがかかることにも注意が必要です。輸入車を修理する場合、パーツがなければ輸入しなければならず、国産車よりも取り寄せに時間がかかるうえ、費用もかさみます。

輸入車の車検や定期メンテナンスは、時間に余裕を持って、早めに予約を入れることを心がけましょう。メンテナンスの予算も高めに見積もってプールしておけると安心です。また、ポルシェなど一部のメーカーでは、定期点検と部品交換がセットになったメンテナンスパッケージを提供しています。こうしたサービスを活用することで、メンテナンスのスケジュールの計画や、費用の節約に役立てることができます。

整備の履歴がはっきりしていると、将来の売却時に車両の管理状態を証明する資料として活用できます。車検時の点検整備記録簿を初めとして、整備の履歴はできる限り詳しく残しておくことも大切です。

駐車場選びと洗車方法の見直し

輸入車の購入を考えているなら、駐車場や洗車方法についても見直してみましょう。

人気の輸入車には、車体が大きいものも多く、一般的な駐車場では幅や奥行きが不足することがあります。特に、BMW 7シリーズやメルセデス・ベンツ Sクラスなどは全長5メートルを超えるため、ゆとりのある駐車スペースの確保が必須です。
接触事故を避けるためにも、柱や壁から十分な距離を取れる駐車場を選ぶことが大切です。また、高級車の盗難リスクを考慮し、防犯カメラや警備員が配置された屋内駐車場を利用することが推奨されます。

洗車も気を付けたいポイントの一つです。輸入車の塗装は繊細な場合が多いことや、輸入車に対応していない洗車機があることから、手洗い洗車を選ぶ人が多くなっています。ガソリンスタンドなどの手洗いサービスを依頼するか、自分で洗う時は、洗車キズが付かないように手順を調べて洗車しましょう。洗車後は、マイクロファイバー製のクロスで水分を丁寧に拭き上げ、必要に応じてワックスやコーティング剤を利用することで、輝きのある外観を保てます。